この想いを君に… −三つ子編−
「知樹、本当は高校、行きたいんじゃないの?」

知樹の顔色が変わった。

「…」

そして目を私から逸らす。

「パパは行って良いって言ってたよ」

「…」

知樹は何か言いたそうにして私を見つめる。

「お金なら心配ないって」

また、知樹の顔色が変わった。

「…じゃない」

「えっ?」

知樹の唇が動いたのを見逃さなかった。

「お金が問題じゃない、パパの体が問題なんだ」

知樹の鋭い目つきに私は何も言えなくなった。
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