この想いを君に… −三つ子編−
「どうしてパパの為って思うの?」

むっちゃんは不快な表情を見せた。

「自分の為に走りなよ。
応援してくれる人の為、ならまだ話はわかる。
パパの為だけに走ってもパパは喜ばないよ」

普段、あまりむっちゃんの真剣な様子を見る事が出来ないからこんな風に言うとは僕、驚いちゃった。

「知樹が勉強もしたいなら勉強するべきと思う。
二足の草鞋を履くのもカッコイイ」

知樹はしばらく考えこんでいたけどやがて

「パパと話してくる」

そう言って出ていった後ろ姿を見て僕はホッとした。

むっちゃんも見ると僕と同じだったみたい。
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