この想いを君に… −三つ子編−
あんまりみんなが五月蝿いから。

俺は自分の部屋に行った。

『いつもありがとう』

シンプルなメッセージは委員長。

これくらいがいい。

『大好きな知樹君へ』

…隣のクラスの子。

まあ、深く考えないようにしよう。



羽曳野は…



封筒にハサミを入れて開封する。

『門真知樹様』

便箋はそう、始まっていた。

『毎日、トレーニングやお店のお手伝い、お疲れ様です』

…何で知ってるの?

『先日、兄が知樹君のお父様が経営されているバイク屋さんでお世話になりました。
免許取り立ての兄にお父様は親切に色々教えてくださり、また付き添いの私にも知樹君のお話もしてくださり、学校では見られない一面も…』

…パパ〜?



俺は慌てて部屋を出てリビングでゆっくりと食事をしているパパに詰め寄り、

「羽曳野〜!!」

気が動転して名前しか言えなかった。

「…知樹」

コホン、と咳ばらいしたパパは

「大丈夫か?」

と、俺の額に手を当てた。
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