この想いを君に… −三つ子編−
「へえー、良かったね!!」

翌日、学校の中庭でゆかりに報告すると手を叩いて喜んでくれた。

「うん、ありがとう…」

「何かあったの?」

浮かない顔をしている僕を覗き込むゆかり。

「…うん」

パパに昨日、報告した。

それは凄く喜んでくれた。

そしてこれからの僕の活躍を期待してくれた。

けれど…

その未来には。

パパ自身がいない、という事を悟っているかのような口調で言われて僕は落ち込んだ。

確かに。

そんなに長くない気がする。

でも、僕にとってパパは…!!



「…泰樹くんは」

絶望的な話を黙って聞いてくれていたゆかりが口を開いた。

「本当にパパが好きなんだね…羨ましい」

そう言われて我に返った。

そうだ、ゆかりの両親は離婚していて…

「ゴメン!!」

慌てて謝るとゆかりは苦笑いをしながら首を横に振った。

「小さい時に別れたきりだからあまりわかんないし…
ただ…一度泰樹くんのパパにあってみたい。
泰樹くん達三つ子を育てたパパってどんな人か見てみたい!!」
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