この想いを君に… −三つ子編−
「ああ、羽曳野さんねえ…」

パパは俺の手に握りしめられた手紙を見つめながら話始める。

「お兄さんとお父さんと3人で来てたよ。
…知樹と同じクラスって言うから少し話をしただけだよ」

俺の肩が震える。

『やはり知樹君は私の理想です。
この恋が実らなくても私は知樹君の事をずっと慕っています。
今度、父と兄とレースを拝見させて頂きますね』

「あいつ!!俺を理想とか言ってるんだよ?
俺の何を言ったんだよー!!」

俺は天井に向かって便箋をばらまいた。

ママがせっせと拾う。

「うわー!綺麗な字!!しかも筆ペンで書いてる〜」

ママの声が!!カンに障る!!

「もー!!!!!!!」

イライラのピークが達して思わず叫んでしまった。

パパが慌てて俺を抱きしめる。

でも…急に体を動かしたパパの苦しげな声が聞こえて我に返った。
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