この想いを君に… −三つ子編−
「じゃあ八尾さん」

露骨に嫌な顔をしている知樹に更に追い打ちを掛けるゆかり。

思わず笑いそうになった。

「…無理だよ」

知樹はキッ、とゆかりを睨む。

でも全く動じないゆかり。

「八尾と付き合えば…八尾が羽曳野達にイジメられるから」

「そんなの…」

ゆかりは手に持っていた箸を置いて

「知樹くんが守ればいいじゃない」

一瞬静まり返るリビング。

ママは呆気に取られていた。

パパは。

ニヤッと笑って

「言うねえー」

嬉しそうに僕を見つめた。
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