この想いを君に… −三つ子編−
「…待ってないよ」

「それはわからないよ」

パパは苦笑いをしている。

「やる前から後ろを向いてどうするんだ?
前を向いて頑張ってから悔やんでも罰は当たらない。
やらないで悔やむなんて馬鹿らしい。
知樹なら大丈夫、自信を持て!!」

本当なら、パパは俺の肩を叩きたかったに違いない。

でも、手は動かない。

…最近は滑舌も悪くなってきた。

「…卒業までにはどうにか考えるよ」

そう言うとパパは満足そうに笑った。



それが。

パパから貰った最後のアドバイスだった。
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