その、声。
サラサラの黒髪。
スッとした輪郭。
すっきりとした鼻。
フレーム眼鏡がよく似合う。
整った顔立ち。
色白。
「はぁ……。
カッコ良い…。」
「え。そう?」
月1の生徒集会。
壇上で話す生徒会長、西山透(ニシヤマ トオル)先輩を見て、優衣がため息と共に呟いた。
意外な発言に後ろを見る。
「絶対、カッコ良いって!!」
後ろから力説する優衣に向けていた視線を先輩へと移して、もう一度よく見る。
うーん…
「タイプじゃないなぁ」
「ねぇ、メアド聞いてみてよ!」
ボソッと零した言葉は見事にスルーされてしまったようだ。
肩に手を置かれ、がくがくと揺すられる。
「ちょ、っそれ……マジやめぃっ」
「あ、ごめん」
そうこうしているうちに、集会は終わってしまった。