DREAM...
それから加那は入学式に出席せずに、近くの川でうずくまり、泣いていた。


まさか自分が…

まさか捨てられるなんて…

あんなに笑顔でみんな振る舞ってくれたのに…

全てが嘘だった。



裏切られた。
裏切らないと思ってた家族全員に裏切られた。


ただただ悲しいと言う衝動にかられた。

「もう嫌だ…死にたい」


加那は目を腫らして、川に一歩一歩ちかずいていった。

今日は水が緩やかに流れている。

死ねるかわからないが、もし死ねるなら死んでやろう。



新しい制服を濡らしながら、水面に体を浸して行く。


怖くもなかった。
もういいと思った。


そんな時、加那に救いの手を差し延べた。


「加那!!」



大好きな親友の梨華子の声。


梨華子は乗っていた自転車を放り投げると、川に近づき、川に飛び込んだ。


梨華…



「何やってんのよ!!」


梨華子は力づくで草むらへと引きずった。


「どしたのよ!!!」


「…家族に捨てられちゃった…」


「はぁ!?」

「入学式でママを見失って…それから携帯にも電話かけてみたんだけど、携帯番号変えられてて…それで…家にいっても…引越してて…」


「そんな…」

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