刹那






それから、私は1週間前に制服と一緒に送られてきたクラス表を見る。


ちゃんと自分の名前の所にピンクの蛍光ペンで線がひかれていた。

よし!


F組だ!






私はF組まで駆け足で行った。



教室のドアを開けると誰もいなかった。

まだ入学式が終わってないんだろう。
ふとため息をつき適当に自分に1番近い席に座る。

正直誰もいなくて安心している。
だってみんなが席ついてる中に1人で入るなんて

絶対無理!!


「でも、みんながゾロゾロ入ってくるなかに1人ってのもなぁ。」


どっちにしても嫌な状況が待っている。



遅刻なんてしなければよかった。

いや。
したくてした訳じゃないんだけど。




ちょっと、

いや。大分絶望的。

さらば私の初日って感じ。


そんな事思っていたら教室のドアが開いた。




「・・・・・・あれ?」


ドアの所には少し茶髪が入った金髪。

とても綺麗なカッコイイ男の子だった。
その男の子はこっちを見てくる。



この子も遅刻かなぁ?♪

少しホッとした。
良かった。

遅刻は自分だけじゃなかった。


だが男の子の次の一言で希望は断たれた。



「俺以外にもサボリいたのか。」



えぇーー?!?






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