刹那
「わ・・・・私サボリじゃないし!!
ただ入学式に遅刻して・・・・。」
「それで行かないんだからサボリじゃん?」
ヴ。
今の言葉は心に刺さった!
「それよりあんた名前は?」
もう、さっきから一方通行な会話だなぁ。
ちょっとイラッと来てたせいか声が大きくなった。
「私の名前は蝶子!!」
そう私が言いきるのを聞いた少年は笑っていた。
「蝶子・・ね。わ・・・・・かった。」
笑いをこらえながらしゃべっているのを見て恥ずかしくなった。
別に笑わなくたって。
「・・・ごめんごめん。・・・俺は夏。如月 夏ね。」[今後柚夏の父親になる人]
夏って言うんだ。
そんな笑ってる夏を見ると顔が熱くなる。
もしかしたらもう、このころから夏に惹かれていたのかもしれない。
そっと頬を触るとやっぱり熱かった。
そうすると、教室のドアが必要以上に勢いよく開けられた。
ビックリして振り返るとそこには初日なのに、スカートの中に体育着のズボンをはいた
茶髪のショートヘアの子が入ってきた。
制服を見るとスカートだから女の子だ。
「おはよーございますっ!!」
大声でそう叫んだその子を見てビックリした。
そして夏もさすがにビックリしたのか振り返った。
「あれ?」