刹那
その子は拍子が抜けた声を出した後周りをキョロキョロ見渡した。
「なんで2人だけしかいないの?!
みんなわぁ?!」
急にその子はパニック状態に陥った。
とにかくその子を落ち着かせようと言葉を探す。
「えっと・・・。今日は入学式だよ?」
私がそう言うとその子は固まってしまった。
ありゃ。
逆効果かなぁ?
「・・・・・・。
やばい。中学卒業の時も担任に
散々言われたのに!!
・・・・・忘れてた。」
そうすると今度はその子は落ち込み始めた。
なぜか条件反射で慰める。
「大丈夫だよ♪
ほらうちらもさぼりだし!!」
あ。
墓穴掘った。
最悪。
「なんだ。認めたんじゃん。」
夏が呟くのも聞き逃さない。
「うるさいー!」
その子は直顔に感情が出るのか今度は顔がパァと晴れる。
「そっか!ありがと☆
あんた名前は?」
ひとまず落ち着いてくれて
胸をなでおろす。
ふぅ。
「えっと、私は楠木 蝶子です。」
「そっか!蝶子な♪うちはな、」
その子が言いかけると静かにドアが開いた。
「・・・・・・。」
今度は黒髪でセミロングくらいの女の子が入ってきた。
髪の毛は綺麗で日本人形のようだった。
「あ!百合!!」
その子は黒髪の子に叫んでハグしようとダッシュしたらその子は避けた。