記憶 ―砂漠の花―[番外編]
アタシは理解した。
……操りゃれてりゅ。
絶対、マルクが悪者よ。
取り残されたアタシは、いてもたってもで、必死に入り口の扉を爪でカシカシしたわ。
でも、
アタシには何の力もない。
ただカシカシしてるだけ…。
ただの猫。
自分の無力さに泣けてきたのよ…。
『お友達どこに連れていくにょよ~!』
ニャア、ニャアとずっと鳴いていると、姿はないのにマルクの声がした。
『…うるさい猫ですねぇ…。ちょっと静かに待っていなさい?』
…にゃ…?
アタシは部屋をきょろきょろと見回す。
そんな中で、
急に眠気に襲われた。
アタシは、気を失ったの。
今度は眠かったわけではないわよ?
例え、お風呂が気持ち良かったとしても。
これは、マルクの魔術よ?