記憶 ―砂漠の花―[番外編]
夜も遅く…
無事に泊めてもらえたアタシは、リフィル様の腕の中。
ふかふかのベッドで寝たのだけれど…。
…
……
……寝れないにゃッ!
アタシの目はパッチリと開いていた。
変な時間に二度も寝てしまっていたから。
リフィル様は、すぅすぅと眠っていた。
しっかりとアタシを抱いて…
様子を伺いに、城を探索したかったけれど、彼女の腕から抜け出せなかったの。
『いい夢を見りゅといいにゃ…』
アタシは呟いた。
そして、
知らぬ内に眠れるだろう、と静かに目を閉じた。
しばらくして…
人の気配がしたの。
「…本当に…」
…みゅ…?
「…夢の中だけは…彼女に幸せを…」
マルクの声だったのよ。
アタシはびっくりして跳び跳ねそうだったけれど、何とか我慢して寝たフリを続けたの。
やっぱり、ここでの会話は全部マルクの耳に入っている。
聞かれていたんだ。
…にゃんて奴ッ…
自分のせいにゃにょに!
アタシは、気付かれないように、うっすらと目を開いてみた。
きっと、また…
あの腹が立つ笑い方をして立ってるんだわ!
…そう思ってたのに…。