記憶 ―砂漠の花―[番外編]


しばらくしたら、
ご主人様は帰ってきた。

大勢の『お友達』を連れて。


「さぁ、狭いところだが入ってくれ。ラオウとレンは庭に放しておいて大丈夫だよ。」

ご主人様は、そう扉を開けて入ってきた。


…ご主人様!


ニャァ…!
『ご主人様、ご主人様!』

そうその場でジタバタしているアタシに、


「タビ、ただいま…」

優しく声をかけ、頭を撫でてくれた。
アタシはホッとする。


……って、違う!


『ちょっと、アタシにょお話し聞いてにゃにょ~!』

どんどんと居間へ向かっていくご主人様の足元で訴えたのよ。

でもダメだった。
ご主人様は、力を『封印』していたの。


『……むぅぅうぅ!!』


大事にゃ、大事にゃお話しにゃにょに!!


バタバタと音を立て、次から次から男の人が入ってきた。


「お邪魔しま~す!」

そう真っ先に入ってきたのがアランね。


――みゅッ!?

アタシは、あの天敵を思い出した。

でも、黒髪。
…ウィッチかしりゃ?


怖かったけれど、アタシは声を掛けた。


『ねぇ、ちょっと貴方、アタシにょ言葉分かりゅかしりゃ…?』


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