記憶 ―砂漠の花―[番外編]
◯タビの大冒険◯
◯タビの大冒険◯



ある日の地下都市サザエルでの事よ。

ここは…、
ご主人様とアタシのお家。


「タビ…私はこれからゴザ島に行ってくる。今日こそ彼らが来るかもしれん…」

ご主人様は、アタシを膝に乗せて静かにそう言った。


『アタシも一緒に行きたいのにょ…』

アタシはニャァ…と鳴いた。


「タビには、他に頼みたい事があるんだ…。」

『にゃにかしら…』


ご主人様はアタシを優しく撫でる。
ちょっと、ごつごつした、
この手がアタシは大好きよ。



「最近奴らのチェックが厳しくてな?サイル島の城の偵察を頼みたいんだが…。」

申し訳なさそうに、そう言った。


『アタシ行くわよ。行けるわよ?』

「………」

『…むぅ。頼んだくせに心配しょうにぇ?』

大丈夫なのに…。
アタシだって、ご主人様の役に立ちたいのよ?


ご主人様は心配そうに、

「気を付けろよ?無理しなくていいからな?」

そうアタシを見つめた。


『こんなにょ朝飯前よぅ!』

と、アタシは大口を叩いた。


…実は、
ちょっと怖かったけど。

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