記憶 ―砂漠の花―[番外編]
もっと…、
大きな「使命」がある。
俺は何様なんだ、自信過剰過ぎやしないか?自分の身の程を考えろよ!
そう感じながらも、その気持ちは治まらなかった。
「使命」――、
俺は何をしたらいい?
政治家…?
ちっぽけな俺が、
一人で何が出来る?
何を変えられる?
出来上がった世の中は、変わらない。
変えられない。
変えたいのは、この国だけじゃない。
世界中では、
未だ「戦争」もある。
争いは嫌いだ。
夢の中のあの女の子みたいに、戦争孤児だって沢山いるのだろう。
地球上には、
「変えなくちゃいけない事」
が、きっと溢れる程にある。
戦争、飢餓、環境汚染…
そして、
「地球温暖化」…。
高校3年の夏。
暑い、暑い夏休み…
「世の中」というよりも、
「世界」というよりも、
「地球」に目が向いた。
夢の中の砂漠の姿が、
誇らしく咲く花たちが、
やけに鮮明に、
俺の脳裏に焼き付いていた。
なぜか、
すっ…と答えが出たんだ。
納得したんだ。
俺は、
『砂漠に花を咲かせたい。』
俺は「農学部」に進んだ。