記憶 ―砂漠の花―[番外編]
この歓喜の大粒の涙を、
どうか…
あの砂漠の花に、
降らせて。
知らせてやってくれ。
全て…、
俺は、理解した。
自然と、
目の前の「愛里」を、抱き締めていた。
君も俺の胸に体を委ね、
大粒の綺麗な涙を流し続けた。
まるで、
互いの心の穴を埋めるかのように。
互いを確かめ合うように…
この想いは、
俺という器を、
枠を越えて、
魂とともに。
時を越えて、ここに在る。
きっと、
君も同じだね――。
どんな場所でも
どんな時代でも、
変わらない愛は在る。
砂漠には、「花」を。
俺の腕には、「君」を。
君の瞳に、「俺」を…
心には、
…強い、「愛」を。
記憶 ―砂漠の花―【番外編】
――淡い記憶――
【完】