ダンデライオン~春、キミに恋をする~
七夕祭り……。
そっか、今週の日曜だっけ。
なんか毎年のように雨が降ってた気がする。
考えてみれば、天の川なんて1度も見たことがない。
今年も……
「……また雨、なのかな」
「雨?」
「……あ」
頭の中で考えていた事が、言葉になっていた事に驚いた。
響が何のことかわからないと言うように、首を傾げた。
「あ、ほら。 七夕のお祭りだよ。 また雨なのかなって」
「七夕?」
「うん。 この辺じゃ、結構有名なお祭りでね? 縁日みたいにたくさん屋台も出んの。 大きな笹がずーっと並ぶんだけど、もうすっごく綺麗なんだよ」
そうだ。
松江神社って言うのがあって、その神社に向かう道にそって何千本もの笹が飾られるんだ。
境内には、もっとたくさんの風車が飾られる。
あたし、それがすっごく好きで、風車の間をすり抜ける風の音が大好きで。
小さい頃から境内に入り浸ってたっけ。
毎年沙耶達と行ってたけど、今年は沙耶はヤマトと行くんだろうな。
あたしは……。
「じゃあ、一緒に行く?」
「え?」
「俺と」
ええええっ!?