ダンデライオン~春、キミに恋をする~
ドクン ドクン ドクン
ドクン ドクン ドクン
抱きすくめられるように、なんとかその場に立ってるあたし。
適度な筋肉のついた腕に支えられて、触れた背中が急激に熱くなる。
「ほんと、おっちょこちょい」
そう言って、眉を下げて笑う響から目が離せない。
胸が泣いてる。
「キュン」って、うんん……そんなもんじゃない。
“ギュン”って、体の奥から締め付ける。
どうしよう……。
あたし……どうしたらいい?
触れただけで、こんなにも心を乱されてる。
喉の奥がキュッと痛くて。
「……椎菜?」
「…………」
気がついたら、響の真っ黒なTシャツに顔を埋めてた。
響……
あたし……どうかしてる。
でも、響が……欲しいよ……。
こう思うことは、おかしいのかな?
ねえ、もっと強く。
抱きしめて?