ダンデライオン~春、キミに恋をする~


「席につけよー!」



先生が入って来たと同時に、クラス中がざわめきだす。



「あれぇ? ショウちゃんが俺らの担任?」

「やったぁ☆」



女子の歓声。 男子の茶化す声。


村上祥平(むらかみしょうへい)先生。

通称ショウちゃんは、そんなみんなを見てうんざりしたように目を細めると口の端をクイッと上げてイジワルそうに笑った。



「そうだ! 今年はガンガンしめるからなぁ。 お前ら気ぃ抜くなよ」

「またまたぁ。 そんな事言ってショウちゃん優しいんだから」

「……高田。 ちゃんと“センセイ”って呼べ」

「なに言ってんすか! 今さらじゃんっ」



ドッと笑い声に包まれる教室。


そっか。
担任はショウちゃんなんだ。



ショウちゃんは、若くて面白くてかっこよくて。
ついでに優しいまだ新任の先生だ。






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