ダンデライオン~春、キミに恋をする~
去年この学校に赴任してきて、すっごく話題になったっけ。
他に若い先生がいなかったうちの学校に、こんなに素敵な先生がきたんだもん。
そりゃあ、大変だったんだ。
楽しそうに話すクラスメイトをぼんやり眺めていると、ショウちゃんが突然言った。
「みんなにもう1つ報告ー!
実は転入生がいるぞぉ」
教室内が騒然となる。
……転入生?
「おーい、入ってこーい」
めずらしいなぁ。
なんてぼんやりと教室の扉に視線を投げかけた。
廊下から現れた、背の高い男の子。
伏目がちの彼はショウちゃんと肩を並べた。
「……ん?」
自称180センチあるって言うショウちゃんとほぼ同じくらいの彼。
その色素の薄い茶色の髪が、彼の動きに合わせて揺れる。
あ、あああ、……