ダンデライオン~春、キミに恋をする~
校則違反。
年下のくせに。
「……ちゃんと付き合ってるよ」
フイッと視線をそらしながら言うと、あたしは背を向けた。
早くこの場からいなくなりたい。
息が詰まりそうだ。
だけど、想像もしてなかった答えが返ってきた。
「嘘だ」
「……え」
ドクン!
思わず振り返る。
驚いたあたしの顔をみて、大野健吾は意地悪な笑みを浮かべて言った。
「…………って言ったらどうする?」
「はあ?」
なにそれ!
からかわれたんだ。
「ふふん」って鼻で笑うと、大野健吾はあたしとの距離を詰めるとその腰をかがめた。
目の高さをあたしに合わせると、片眉をクイッと持ち上げる。
「センパイ、顔に出過ぎ」
「…………」
バカにしてる……。
完全に。