ダンデライオン~春、キミに恋をする~
ムッとして勢いよく振り返ると、そのまま廊下に向かった。
付き合ってらんない!
なんなの、コイツ!
し、心臓に悪すぎ。
もしかしたら、なにか知ってるかもって思えちゃう、そんな強い視線を持ってる。
「あれ、行っちゃうんスか? タンコブやばいっしょ」
「う、うるさい! あたしは忙しいのっ」
小バカにしたような声に、ついムキになりながら言い返す。
もう会うこともない!
関わることもない!
あんなチャラチャラしたようなヤツ、あたし大っ嫌い!
ドスドスと大股で歩く。
そんなあたしの背中に、大野健吾の笑いをこらえた声が届いた。
「センパーイ。 俺、センパイが好きッスよ」
「うっさい!………え、ええええっ!?」
振り返ると
両手をポケットに突っこんで、真っ白な歯をのぞかせて。
大野健吾は、楽しそうに笑っていた。
なな、なんでっ!!?