ダンデライオン~春、キミに恋をする~
開いた口が塞がらない。
意味が……
「い、い、意味がわかんないんですけど!なな、なんっ、なんで?」
だって、だって……
あたし、大野健吾の事何も知らない。
会ったのだって、これが2度目。
なのに……
「なんで!!??」
「……ぶはっ!キョドリ過ぎ。あと、ナンデって言い過ぎ」
「だって、あたし……一目惚れされるほど可愛いとは思えないし……目立つほうでもないし……それに……それにっ、しゃべったことほとんどないのに……」
なにがなんだかわからない。
『告白』を初めてされたんだから。
頭の中真っ白。
響のは、告られたわけじゃないんだし。
あの時は、その後の言葉を理解するのに必死だったし……。
でも。
大野健吾は、あたしに『好き』と言った。
はっきりと。
チラリと見上げると、大野健吾は目を細めるて口の端を持ち上げた。
うぅ……。
急に恥ずかしくなって、カアアアって頬が一気に火照る。
「アンタは俺を知らなくても、俺はアンタを知ってる。
気付いてなかったかもしれないけど、俺、あの裏庭に顔だしてるんだぜ」
「へ?」