ダンデライオン~春、キミに恋をする~
ま、まさか……キスされる!?
反射的にキュッと目を閉じた。
なんで?
なんで、急にッ!?
……。
でも、いくら待っても何も起きなくて。
キツく閉じていた、瞼を緩めたのと同時。
楽しそうな声が首筋にかかった。
「椎菜、超イイ匂い」
「へッ!!?」
柔らかな髪が頬に触れそうな距離で、響は遠慮なくクンクンと匂いを嗅ぐ。
ひゃあぁぁあ!
何してんの、この人!
ガバッと顔を上げると、腰をかがめて、あたしとの目線を合わせてる響。
浴衣を着たあたしの右肩あたりに顔を寄せてる。
ドクンッ