ダンデライオン~春、キミに恋をする~
うぅ。
め、めまいが……。
頬も耳も、全身真っ赤になってるあたし。
「女の子の風呂上りは、ある意味反則だよね」
「えっ」
限界を知らない体の火照り。
これは、そのうち湯気でも出るはず。
立ってるのも、限界。
距離が。
距離がね? 近いんです。
響の甘い香水が、さっきからずっとあたしの脳内をかき回してる。
だけど、そんなあたしに響は容赦なくとどめの一言を放つんだ。
「あー、なんか。めちゃくちゃそそられる」
「……ッ……」
そ、そそ、そそ……!!?
な、な……何言ってッ……!
「っはは」
「……」
ボンって感じで真っ赤になったあたしに、たぶん何も考えてない響は爽やかな笑顔を落とす。
わ、笑えないんだってばぁ
響さ……。
今日は、あたしたち同じ部屋って忘れてない?