ダンデライオン~春、キミに恋をする~
無理だよ……。
響はそんな誘いに乗るような人じゃないもん。
きっとそのすべてをわかっていて。
黙ってるんだ。
あたしが。
あたしがなんとかしなきゃ。
意を決して大きく息を吸い込んだ。
「あ、あのっ!さ、さっきから黙って、き、聞いてればねっ」
でも出てきてくれた言葉たちは震えていて。
しどろもどろだし……。
…………。
ご、ごめん、響。あたし役立たず!
射るような大野健吾の視線が痛い。
何か言わなくちゃ、と思えば思うほど空まわってしまって、どんどん頭の中が真っ白になる。
「あ、あたし達はね」
「問題ならあるよ」
あたしの言葉を遮るように言った響。
うんうん、って頷いたあたし。
だけど、ちょっと待って?
今……。
首を捻ったのとほぼ同時。
響は、大野健吾をまっすぐ見据えたまま行った。
「椎菜は……俺の、だよ。だから、問題おおあり」
「……」
!!!!!