ダンデライオン~春、キミに恋をする~
響は、ふとその表情を崩すとフワリと笑った。
意味が……。
意味がわかんないんだけど……。
きっとあたしの頭の上には、「?」マークがいくつも並んでるハズ。
そんなあたしを見て、さらに目を細めると。
「……俺もまだまだ、だなぁ」
「へ?」
そう言って、まるで困ったように笑う響。
えと、えっと……、え?
ムカついてたって言ってたケド……なにに?
それよりっ
そんなことよりっ!
「……っ、て、手……出さないんじゃなかったの?」
ドンドン上がる体温。
子供みたいに無邪気な笑顔を見ていたら、勘違いしちゃう。
だって……。
だって今の、キスでしょ?
言って、チラリと見上げると。
あたしの言葉を聞いた響が「んー……」ってなにやら唸りながらポリポリと耳の裏の辺りを掻いた。
そして、視線だけをあたしに落とす。
ドクン
「……まぁ、そのつもりだったんだけど」
「え?」