ダンデライオン~春、キミに恋をする~
「この花壇だけはいつも花が咲いてる。あの頃と何も変わんないや。なんかホッとしちゃった……」
変わる事もある。
でも、変わらない事もあるんだ……。
咲いてる花は違うけど、でも。
確かに、花達はここで咲いている。
「椎菜」
「ん?」
不意に名前を呼ばれ顔を上げた。
と、突然目の前に影が落ちて……。
唇に
柔らかな感触。
「……」
「……」
触れるだけの、キス。
それは突然で、あたしの思考回路を停止させた。