ダンデライオン~春、キミに恋をする~


「この花壇だけはいつも花が咲いてる。あの頃と何も変わんないや。なんかホッとしちゃった……」



変わる事もある。
でも、変わらない事もあるんだ……。


咲いてる花は違うけど、でも。
確かに、花達はここで咲いている。




「椎菜」

「ん?」



不意に名前を呼ばれ顔を上げた。


と、突然目の前に影が落ちて……。




唇に
柔らかな感触。



「……」

「……」



触れるだけの、キス。

それは突然で、あたしの思考回路を停止させた。


< 224 / 364 >

この作品をシェア

pagetop