ダンデライオン~春、キミに恋をする~
…………。
……。
「……」
?
笑っていた響。
それから、ふと真顔に戻る。
髪をクシャリと持ち上げて、顔を伏せる。
---その、視線の前。
ドクン
胸が鈍くはねる。
心の不協和音が鳴る。
ああ……そうか。
あたし、ずっと引っかかってたんだ。
それが消えてなくならない。
ドク ドク
その『理由』は、あの視線だ。
響の?
うんん……違う。
響じゃない。
泉先生の……響を見つめるその視線が、あたしを不安にさせるんだ。
きっと彼女は、響を……ただの“彼氏の弟”と思ってないよ。