ダンデライオン~春、キミに恋をする~


さっきのくしゃみで?

は、恥ずかしすぎるっ!


口に付いた砂糖を取ろうとしてくれてたのか!
それをキスと勘違いするなんて……。


ああ、もうっ
ありえない~~!



「ど、どーりで甘いと思ったぁ」

「ほんとだ」



そう言った響の親指が……。

あたしの唇をぷにって押した。



「あまそー……」



……。


ただ、当たり前の事言っただけなのに。

響のその言葉で、触れられたそこからチョコレートみたいに溶けていく。


まるで。

あたし自身がそうだと言ったみたいに、それは甘く甘く聞こえたんだ。





「メリークリスマース☆」


シャンメリーを入れたグラスを合わせた。
それをコクッと喉へ流し込む。


うう、痺れます。

シュワシュワと炭酸が喉を刺激した。


早速ケーキを頬張る響が「んま」って言ってくれた。


友達とこんなふうに、クリスマスを過ごしたことなら何度もある。


――なのに。

今すべてがキラキラしてて。
……宝石みたいに輝いてて。

ここに響がいる。

響が隣にいてくれるだけで、こんなにもクリスマスと言う日が、特別で幸せな日になるなんて、思ってもなかった。


好きなヒトと一緒に過ごせるって
ほんとにキセキなんだよね……。



サンタさん

素敵なプレゼント、ありがとう


あたし
こんなに幸せでいいのかな……。

ほんと
怖いくらいだよ……



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