ダンデライオン~春、キミに恋をする~


何度も、何度も。

角度を変えて、味わうようにゆっくりとあたしを奪うそのキスに、もう骨までとろけちゃったみたい。

足が震えて、ひとりで立ってられない。

深く重なって、響の舌が滑り込む。

追い詰められて、思わず逃げるあたし。
でもすぐに掴まって。

こんなキス、知らない。

頭が、おかしくなりそう
ボーっとして何も考えられない。

キスがこんなに気持ちいいなんて知らなかった。


響のキスを受け止めるだけのあたしは。
無我夢中で、響の腕にしがみついていた。



……ん?



背中にヒンヤリとした感触がして、パチッと目を開けた。



「え、あの……」



気が付くと、視界いっぱいに響の顔。
その向こうにアスファルト打ちっぱなしの天井が見える。


ひゃあああ!

い、いつの間にあたし押し倒されてんのぉお?


あたしに覆いかぶさるように両手をついた響の顔が近づいて、チュッとキスされた。


ドキーン!


え、え?
これって、この流れって……。


もしかして……もしかするの?

や! でも、まだあたし達17歳だし。
そ、そう言う事するの、早いんじゃないの?


ドクドクドクって物凄い勢いで心臓が加速を始めた。

さっきとは明らかに違う心拍数。



これから、あたし達の間に起こるかもしれないコトを妄想しそうになって、慌てて頭を振る。



ま、まだダメだからぁ~!



「っはは。またソレだ」

「えっ」



可笑しそうに、肩を揺らして、目を細めた響。

わ、笑われたぁー。


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