ダンデライオン~春、キミに恋をする~
笑うとこじゃないよね?
そんなムードじゃないよね?
あ、でも、この雰囲気変えれたんならそれで良し?
でも、ショック……。
訳わかんなくなってきたよ。
なんか、泣きそうかも。
「……うっ……」
「なんて顔すんの……」
えっ?か、顔!?
顔、変だった?
今まで散々あたしの顔を見つめていた響が、今度はフイッと逸らしたまま合わせてくれない。
なに?
なんで?
……響?
「……煽られてる気分」
「へ?」
少しムッとした顔をした響は、そのままキスを落とした。
チュッて感じで、軽くついばむようなキス。
それから今度は甘いキス。
「椎菜、砂糖の味がする」
「あっ……」
ケーキ食べたから?
それとも、さっき唇に付いた砂糖のせいかな……。
でも。
今、ほんとに砂糖みたいに甘いのは、他でもない。
響だよ?
大切に、大切に。
愛おしむような口づけに、もう抵抗するのも忘れてしまった。
そして……。