ダンデライオン~春、キミに恋をする~
響の手が、スカートの中に滑り込む。
「……っ」
ビクッと固まったあたしに、響はその動きを止めた。
顔を背けたままのあたしを覗き込むと、響は優しく目を細めて言った。
「怖い?」
……って。
怖いよ……。
だって、こんなの初めてだもん。
だけど。
だけど、怖いって気持ちよりももっと。
もっと響を想う気持ちが上回ってしまった。
こんな感情があるなんて、あたし知らなかったよ?
響なら……
響となら、あたし……。
見つめ合うふたり。
近づく距離。
そして、再び動き出したあたたかい、響の手。
ああ、あたしとうとう、今日響のものになっちゃうんだ。
胸がドクドクしてて、どうにかなりそうだよ。
ギュっと目を閉じて、すがりつくようにその背中に手を回そうとした
その時だった。
ピンポーーーン
ふたりの間を突き抜けるような、そんな電子音が響き渡った。