ダンデライオン~春、キミに恋をする~
きゃあああああ!
きゃああっ
ちょ、ちょっと今のなんだったの?
火照った頬をバッて抑える。
アツい。アツいよぉ。
もし、ここでタイミングよく誰かが訪ねてこなかったらあたし達、あのまま……。
むむ、無理無理っ無理だから~
恥ずかしくて死んじゃうよ!
キュン死どころじゃすまなくなるって。
はあ……。落ち着かなくちゃ。
急に心臓がバクバクして、今更緊張してきてしまった。
でも……。
ちょっとだけ残念なような、ホッとしてるような。
変な感じ。
やばい。
顔がニヤけるよぉ
響が戻ってきて、顔に締りなかったら引かれちゃうかも。
平常心、平常心。
「……」
それにしても。
こんな時間に誰なんだろう。
郵便屋さん?宅急便?
にしては、戻ってくるの遅い。
少しだけ開いたリビングのドア。
あたしはオズオズとそこへ行き、こっそりと玄関を覗き込んだ。
でもね?
何でも、こっそりやるってよくない。
そんな事、わかってるのに。
その時のあたしはすっかり忘れてて。
ココロの中に鳴り響く、不協和音にも気が付かなかったんだ。