ダンデライオン~春、キミに恋をする~
そそくさとその後に続いて歩く。
「……ショウちゃん、どこ行くの?」
何も言わず、あたしが今来た道を引き返しだしたショウちゃん。
あたしの質問に、ショウちゃんはチラリと振り返った。
「間宮にピッタリの場所だ」
「へ?」
そう言って、ニヤリ。
ゾゾゾ。
こう言う顔する時のショウちゃんは、何か企んでる。
首を捻ったあたしなんか、全く持って無視して階段を下りて、渡り廊下へ向かっている。
うちの桜ヶ丘高校は、3つの校舎で出来てる。
今いるのは、新館の西校舎。
それを挟むように南校舎と、旧校舎の東校舎が建ってる。
ショウちゃんの向かう先は、どうも東校舎らしい。