ダンデライオン~春、キミに恋をする~
「ぶははははっ、なんだソレー!オカメちゃん?」
……。
学校につくなり、下駄箱でばったり会った大野健吾。
あたしを見て、体をくの字にして笑い転げてる。
そ、そりゃあ
ちょっと前髪切りすぎちゃったりして
パッツンな感じになってますけども!
「な、なによ! そんなに笑うなっ」
人の顔見て笑うとか、もぉ失礼なヤツ~
かあああって火照っていく頬。
ドンッと足を鳴らして抗議する。
だけど大野健吾には、そんなあたしの反応がさらにツボったらしい。
「マジやめてっ。ウケんだけどぉ! ひー……腹いてぇ」
「ウケねらってないし!」
なんなの?
もうこんなアホほっとこ!
履きかけていた上履きのかかとを無理やり突っ込むと、あたしは大野健吾に背を向けた。
てか、すごい注目されてるし!
恥ずかしいからこっちがやめてー!
みんなの視線から逃れるように俯く。
すると、目の前にいきなり腕が現れた。
「わっ」
見ると、通せんぼするみたいに、大野健吾が下駄箱に手をついていた。
……まだ笑ってるし。