ダンデライオン~春、キミに恋をする~
顔を上げると、ちょうどすれ違いざまにあたしを見下ろす人物が。
ひえええええ!
ひ、ひ、響~~~!!!?
パチンって目が合って、とたんにシュウウウって体が火照っていく。
相変わらず寝癖みたいにふわふわしてる髪を揺らした響は。
あたしを見下ろして何度も瞬きをした。
ドッドッドッドって信じられないくらいの速さで心臓が動き出す。
アワアワと声にならない声が出る。
目が……。
目が合っちゃった……。
お久しぶりすぎる。
お正月以来だよ?
あれから必死で見ないように遠ざけてたのに、こんなにあっさりしちゃっていいの?
ガチガチに固まってるあたしなんかお構いなしで、大野健吾は太陽のように明るい声で続ける。
「な? センパイもそう思うっしょ?
なんかいつも必死だし、コロコロ表情変わるし。リアクションアホだけどそれがまた可愛いし?」
や、やめて~!
めちゃくちゃディスられてるぅぅ!!
突っ込みたいけど、とにかく今はそれ以上響に言わないで!
バッと大野健吾を見ると、見上げたあたしに気付いてさらにニヤリを口角を上げた。
「~~~」
こいつ……!
わざとだぁー!