ダンデライオン~春、キミに恋をする~

あ。

寝てる……


あたしが自問自答してる間に響は机に突っ伏してしまっていた。


もおおお。

ニコ!って、ニコってすればいいだけじゃんっ



「……なにしてんの、あたし」



ガクッとうな垂れた瞬間、背後から恐ろしい声が。



「ほんと、こんなとこに突っ立ってなにしてんだぁ、間宮ぁ~」


え?


ゆるりと振り返ると、それはそれは恐ろしい顔をしたショウちゃんの姿が。



ひっ

いつのまにHR始まってんのっ?


気が付けばみんな自分の席に座っていて、あたしを見てクスクス笑ってる。

わーーん
恥ずかしいよ~


「ご、ごめんなさい~」


慌てて席に戻ると、ショウちゃんまるで子供がいたずら思いついたみたいな顔でこう言った。


「罰として……」

「ば、罰っ!?」

「今日の黒板消し担当~~」



はい?

こ、黒板消しって……。


バーンって感じで右手で黒板を指したショウちゃん。

一瞬シーンとなった教室も、一気に「おお!」なんて盛り上がってるし。

その先生は腕なんか組んじゃって不敵に笑っておられます。


でも。


なんか楽しくて、あたしもつられて笑ってしまった。



< 303 / 364 >

この作品をシェア

pagetop