ダンデライオン~春、キミに恋をする~
ガバッと大げさなくらいのけぞると、そんなあたしを見たイツキ先生は眉を下げて笑った。
ドキ……
その笑顔に胸が疼く。
だって、やっぱり兄弟。
似てるんだもん。
イツキ先生を見ると落ち着かない気分になってたのは、やっぱり響に雰囲気が似てたからなんだって、今さらながら気付く。
「あ、あの、あたしの方こそごめんなさい!」
カッと火照った頬を隠すように、慌てて頭を下げた。
イツキ先生……
響のお兄さん……。
今、響が学校来てないの、知ってるのかな?
聞いてみたい。
あたし、聞いてもいいのかな……。
顔を上げたあたしが黙っていると、先生は何かに気付いて目を細めた。
?
「それ、可愛いね」
「えっ」
先生が指差した物。
それは、響からもらったあのヘアピンだった。