ダンデライオン~春、キミに恋をする~
「椎菜?」
あ……。
気が付くと、お母さんがあたしの肩をポンとたたいて少し心配そうに覗き込んでいた。
「どうしたの? 顔色悪いよ?」
お母さんの隣には七美もいて、不思議そうに大きな目で瞬きをした。
「……え、あはは。んーん。なんでも。ちょっとお腹すいちゃって」
最後はおどけて言ってみた。
お腹をさすってみせたあたしに、七美は「もうおねーちゃん食い意地張り過ぎ~」って笑った。
なぜかそれにホッとする。
「椎菜ちゃん」
そんなあたしを、イツキ先生は真剣な表情で覗き込んだ。