ダンデライオン~春、キミに恋をする~
痛い……。
苦しくて、切なくて、胸が押しつぶされそう。
家族4人。
みんな一緒の方が幸せだよね?
大好きな家族と、いた方が……。
幸せに決まってる。
あたしだって、お母さんやお父さん、イツキに七美が遠くへ行っちゃうって聞いたら、寂しいもん。
哀しいもん。
傍にいたいって、思うよ?
「それじゃあ、色々ありがとうございました。七美ちゃん勉強頑張ってね」
「センセー、さみしい~。もっとケーキ一緒に食べたかったよぉ」
七美の言葉にその場がふわっと明るくなる。
みんなで笑って、先生を見送った。
「……っ……」
ぼやけてく視界。
震える唇。
間に合った。
我慢出来た。
よかった……先生にこんな顔、見られなくて。