ダンデライオン~春、キミに恋をする~


痛い……。

苦しくて、切なくて、胸が押しつぶされそう。



家族4人。
みんな一緒の方が幸せだよね?

大好きな家族と、いた方が……。
幸せに決まってる。

あたしだって、お母さんやお父さん、イツキに七美が遠くへ行っちゃうって聞いたら、寂しいもん。

哀しいもん。

傍にいたいって、思うよ?




「それじゃあ、色々ありがとうございました。七美ちゃん勉強頑張ってね」

「センセー、さみしい~。もっとケーキ一緒に食べたかったよぉ」


七美の言葉にその場がふわっと明るくなる。
みんなで笑って、先生を見送った。




「……っ……」



ぼやけてく視界。
震える唇。

間に合った。

我慢出来た。


よかった……先生にこんな顔、見られなくて。



< 337 / 364 >

この作品をシェア

pagetop