ダンデライオン~春、キミに恋をする~

それから最後のHR。

3年生になっても、クラスのメンバーはかわらない。
担任の先生も、よっぽどのことがない限り変わる事はなかった。

だから、このまま繰り越し。

寂しくなんかない。

みんな、笑顔に溢れていた。



「そんじゃぁこれで終わるけど、春休みハメ外し過ぎんなよぉ」



ショウちゃんはそう言って、HRを締めくくった。

ああ言ってるけど、あんまり深く思ってないんだろーなぁ

いつもどおり、もっていたファイルで首をトントンとたたきながら教室を出ていく後姿を見送って思った。


その背中を眺めていると、教室の入り口でピタっと立ち止まった。

そしていきなりクルリと振り返った。

振り返ったショウちゃんとパチっと目があう。



えっ?



「間宮ぁ~」

「な、なんですか?」


なぜかビクッとなる。

期末、ギリギリだったけど赤点はなかったぞ?
補習はないはず!


目を瞬かせてるあたしに、ショウちゃんは曖昧に目配せをした。



「えー……とぉ、ほら。 見たぞ」

「は?」



なにを?



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