ダンデライオン~春、キミに恋をする~
「っ、くく」
へ?
見上げると成田くんがなにやら顔を背けていて。
「な、成田くん?」
ためらいながら声をかける。
成田くんはそんなあたしにちらりと視線を送り、とうとう我慢できないって感じで吹き出してしまった。
「っははは!」
「……………」
なに?
笑ってる……。
なんか、ものすごく笑われてる……。
がーーーん。
彼が笑うたびに、色素の薄い茶色の髪がふわりと持ち上がる。
無邪気に笑うその顔が、すごく眩しい。
口をポカンと開けたままのあたしに、成田くんはまっすぐ向き直った。