ダンデライオン~春、キミに恋をする~
キョトンと目を開けると、顔を背けてケタケタ笑う響がいて。
さらにポカーンとしちゃう。
口を開けたままそんな響を見つめていると目じりに涙をためた響が、視線だけ向けた。
「もお、ほんと椎菜は」
「え?」
「ねぇ。このままうちに連れて帰ってもい?」
「えええっ!!!?」
なっなっな、
な、何言ってんの?
ガチンと固まって、思いっきり後退り。
そんなあたしを見て、また楽しそうに笑うとさらに響はこう言った。
「いや……その顔、たまんない」
「はっ?」
「……あれ?ちょっと待って。もしかして俺、Sっ気あんのかな? 椎菜、どう思う?」
いやいやいや!
意味わかんないんですけどぉ?
って、振り返ってみれば迫られてる事が多々あったよーな……。
響って、響ってのんびりしてて草食系に見えるけど……。
ボボボって一気に全身が赤くなる。
「椎菜?」
って!
あたし何考えてんのっ
だ、ダメダメ! ダメだからぁ~!
あ、あたしは、このまま流されたりしないんだからね!
ブンブン首を振って響がMかSかなんてのをかき消した。
「っはは。またソレだ」
「え?」