ダンデライオン~春、キミに恋をする~

春の陽だまりに点々と咲くまあるいたんぽぽ

その黄色は他のどんな黄色い花よりも

あったかくて
明るくて

まるでお日様のような黄色。



響があたしをたんぽぽみたいと言ってくれるなら

響はあたしにとって、あたたかで、優しい春。

そうして、かけがえの無いふたりでいたい。



一緒いて、笑顔になれるような。
そんなあたし達でいたいね?



響の笑顔が曇らないように
たんぽぽの花のように、太陽のように、ずっと照らしていきたいな……。




あたしの歩幅に合わせてゆっくり歩く響。

その隣に追いつくと
視線を落とした響がふわりと笑った。



それから
そっとあたしの左手を握りしめる。



トクントクンって胸が鼓動を早くする。

照れくさくて、「えへへ」って笑ったあたしにこたえるように。
響はギュッと繋いだ手に力を込めた。


嬉しくて幸せで、繋いだ手が熱くて。
もう、どうにかなっちゃいそうだよ。

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