ダンデライオン~春、キミに恋をする~

目の前の景色が反転して、一瞬青空が見えた。


――ドサッ!



「……アタタタ」


うぅー。
最悪ー……。

お尻から思い切りいっちゃったし。



「もぉ……一体なんなの?」



何につまずいたのかと、後ろを振り返ってそのまま固まってしまった。


……え。


あたしの下敷きになってたもの。

それは…………。


人間。




「重いんだけど」


う……うそ!



「ご、ごめんなさいぃぃい!」



そこにいたのは、顔を歪めた見知らぬ男の子。
タンポポまみれの上体を起こして、あたしをジロリと睨んだ。


ひゃああああ!

最悪っ!

< 4 / 364 >

この作品をシェア

pagetop