ダンデライオン~春、キミに恋をする~



『……ありがとう』




って、言ってくれたんだ。


捕まれた腕が熱くて。
苦しくて……。




『椎菜』



って名前呼ばれて、上目遣いで覗き込まれた瞬間、全身が心臓になったみたいにドクンって脈打ちだした。


――カアアアッ



『あ、あの、あの……』



自分が今、物凄い事を言ったんだってその時初めて気がついた。

あわあわと、慌てだしたあたしを響は口角を上げてほんのちょっとだけ悪戯な笑みを浮かべたんだ。





――――……
――……


うわぁぁ、もーーう!!

ベッドにダイブして、クッションをギュッと抱きしめた。
いまだ冷めない体の火照りと、心を落ち着かせるようにあたしはそのまま目を閉じた。


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