1month honey
停車し運転席の男がエンジンを止めた。
そのとき私は
ふと我に返った。
金髪男の後頭部から
窓の外へと視線を移すと
古びた営業中のネオンを掲げた
カラオケ店だった。
「またここか…」
心の中でそっと呟く。
このカラオケ店は
何度か別の人たちと来たことがあった。
あまり良い思い出はない…
中に入ると
小さなカウンターに
受け付けのおばさんがいた。
おばさんは笑顔で私たちを出迎えた。
「またあんたたちかい。
あんまり部屋汚さないでよ。」
おばさんがそう言うと
運転席の男と金髪男は
ヘラヘラと笑って頷いた。